□■体裁を整えるために
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■語句の表記を統一する
■暦は西暦で統一する
■数字の表記を統一する
■記号の使い方を統一する
■外来語の表記を統一する
■略語は正式名称を先に明記する
■引用は正確に
■図、表の表記
■文体を統一する
■結論・概要を先頭に提示する



■語句の表記を統一する

 以下のような複数の書き方が存在する語句は、表記形式をあらかじめ決めて、文章全体で統一した方が良いでしょう。

 送り仮名・・・「浮世、浮き世」「冷す、冷やす」
 漢字・・・「言う、云う」「歳、才」
 外国語の表記・・・「カエサル、シーザー」「シェークスピア、シェイクスピア」
 ふりがな・・・「じ、ぢ」「いなずま、いなづま」



■暦は西暦で統一する

 暦は世界的に広く普及しており、直感的に時期を把握できる西暦で統一します。

 歴史などを主題としたレポートでやむを得ず和暦を用いる際も、「元禄2年(1681)」と西暦を併記したほうが良いとされています。

 ただし、「平成十七年度予算案」といった、和暦が名詞化しているものはそのままで構いません。



■数字の表記を統一する

 数字の表記形式は、横書きならアラビア数字、縦書きなら漢数字で統一するのが良いと言われています。

 ただし「四国」「一石二鳥」「第二次世界大戦」「二酸化炭素」といった名詞化している数字は、表記形式をアラビア数字で統一している場合でも漢数字で書きます。

 なお漢数字の表記方法は以下の3種がありますが、いずれも間違いと言うわけではないので、使いやすいものを選んでかまいません。
 「一億九千八百七十六万五千四百」
 「一億九八七六万五四〇〇」
 「一九八、七六五、四〇〇」



■記号の使い方を統一する

 「」、""などといった記号の用い方も、文章全体を通じて統一する必要があります。
 記号の用い方の一例を以下に示します。

 「」・・・会話や引用を囲む
 『』・・・「」内の引用や会話、文献名を囲む
 ()・・・注釈、著者名を囲む
 []【】〔〕・・・小見出しや注釈番号を囲む。
 ""・・・「」内の引用や会話、あるいは外来語の引用を囲む
 ''・・・""内の引用や会話を囲む
 <>《》・・・原語と区別するために、特殊な用例で用いている単語を囲む



■外来語の表記を統一する

 読み方が一定でない外来語を用いる時や、一般的でない外来語をキーワードにする時は、「シングル・サインオン(Single Sign-On)」のように一度原語を明記した方が良いでしょう。

 ただし、原語表記は多用しすぎると、以下のように文章が読みにくくなります。
×「情報ネットワーク(information)による、人間(human)と自然(nature)、コンピュータの調和(harmony)を目指す」
 原語表記は、あくまで文章に厳密性を与えるのに必要なものだけに対して行うべきです。


 また、外来語をカタカナに直す場合は、読みを統一する必要があります。
「ユリウス・カエサル」or「ジュリアス・シーザー」

 単語と単語の区切りには「・」を用いるのが一般的です。
「informed consent」→「インフォームド・コンセント」

 ただし人名に関しては、「=」を区切り文字に用いることがあります。
 「John Lennon」→「ジョン=レノン」

 なお「ラスベガス」「ログイン」といった、区切りを入れない用例が定着している言葉については、区切り記号を入れずにつなげて表記します。


 外来語の正しい表記方法は、専門分野内で暗黙に定められていることが少なくありません。
 そのため文章を書く際は、あらかじめ関連する参考文献を読み、正しい表記の仕方を把握しておいたほうが無難です。



■略語は正式名称を先に明記する

 略語を用いる際は、一度正式名称を明記する必要があります。
 例えば「北米自由貿易協定(以下NAFTA)」などと書きます。

 ただしパソコン(Personal Computer)、レーザー(Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation )といった、略語が一般名称として広く認知されているものに関しては、正式名称の明記を省いてもらってかまいません。



■引用は正確に

 文章を直接引用する場合は、正確性を維持するためにも、改変を加えず正確に複写する必要があります。
 やむ終えず文章を改変する場合は、「現代仮名遣いに改めた」「(中略)」などと、その旨を必ず表記しなければなりません。


 また、文章の内容を引用する場合も、なるべく引用元の意味を損なわないようにします。

引用元「個人情報の書き込みがきっかけで、退職に追い込まれた人がいるようだ。くれぐれも注意してほしい」
×「管理人は、個人情報の書き込みがきっかけで退職に追い込まれた人がいると警告した」
○「管理人は、個人情報の書き込みがきっかけで退職に追い込まれた人がいるようだと警告した」

 なお当然のことですが、文章や情報を引用した場合は引用元をどこかに明記する必要があります。



■図、表の表記

 図、表には必ずタイトルと振り番号をつけます。
(振り番号とは「図2」「表3−1」といったものです)
 振り番は図、表別々で振っていきます。

「図1−3 RC回路の周波数特性」
「表8 偏差値の推移(A委員会調査)」



■文体を統一する

 文体は「ですます調」と「だである調」に分けられます。

ですます調:「気圧は順調に低下しています。特に問題はありません」
だである調:「気圧は順調に低下している。特に問題はない」

 この中で「ですます調」は、丁寧で親しみやすい印象を与える反面、読者にへりくだっている、断定を避けているといった印象を与える恐れがあります。
 そのため、レポートといった客観性・中立性が求められる文章は、「ですます調」ではなく「だである調」で統一されるのが一般的です。

 ただ「だである調」は独断的な印象を与えがちです。
 そのため「だである調」を用いる際は、理由を細かく提示するなど、独断的な印象が弱まるように配慮する必要があります。


■結論・概要を先頭に提示する

 専門性を持つ文章は、その文章を必要とする者、必要としない者の差がはっきりしており、読者が限定的です。
 そのため専門性を持つ文章を書く際は、結論や文章の概要を読者が簡単につかめるように工夫する必要があります。

 具体的には、以下のような工夫が必要です。

・文章の冒頭に概要をつける
・文章の内容が想像できるタイトルや見出しをつける
・概要やタイトルが見やすいようにレイアウトを工夫する

 逆に専門的な文章でこうした工夫を怠ると、読む者を煩わせてしまったり、本来読んでもらうべき読者に見逃されたりする恐れが出てくる点、注意が必要です。



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