「指導案の作成例・後」
今回も前回に引き続き指導案を作成していきます。
1)基本構造の決定
I 全体
(導入)
・学習内容の概要の提示
・動機付け
・学習目標の提示
II 部分
(提示・適用)
・2進数についての講義
・2進数の10進数への変換方法についての講義
・2進数を10進数に変換させる課題
・10進数の2進数への変換方法についての講義
・10進数を2進数に変換させる課題
・2進数の加算についての講義
・2進数を加算させる課題
III 全体
(適用)
・総合課題
(まとめ)
・学んだ事をまとめる
・以降の展開について
・質疑応答
2)各部の肉付け
I 全体
区分 | 時間 | 指導の要点 | 学習者の活動 | 教材等 |
●導入 ・全体像の提示 ・動機付け |
2分程度 | あいさつ ・学習内容の概要の提示 ■今回は2進数について学ぶ。そして2進数の演算をやってみる ・2進数の必要性の提示 [1]デジタル電子回路は電圧が一定値に対して低いか高いかという二つの状態で情報を表現する。一方2進数は0か1かという、2種類の記号で情報を表現する。両者とも2つの要素で情報を表現しているため、相性が良い □デジタル電子回路では2進数が用いられる [2]コンピュータはデジタル電子回路で演算を実現している。 □コンピュータ上の計算でも2進数が用いられる [3]デジタル電子回路、コンピュータの演算についてはこれからのいろいろな授業で学ぶ。またそれらは将来職業として扱う可能性が高い □2進数の知識がなければ、これから様々な場面で苦労する事になる ・授業目標の提示 今回の目標は ■2進数を10進数に変換できる ■10進数を2進数に変換できる ■2進数の加算ができる の3点 |
OHPを見る | OHP |
II 部分
区分 | 時間 | 指導の要点 | 学習者の活動 | 教材等 | ||||||
●提示 2進数について |
3分程度 | ・2進数の定義 ■10個の記号(0、1、2、3、4、5、6、7、8、9)で値を表現するのが10進法 ■2個の記号(0、1)で値を表現するのが2進法 ■10進法で表された値を10進数、2進法で表された値を2進数と呼ぶ 黒板で2進数と10進数の例を板書 ・重み 10進数の加算式への分解例を板書 「392951=3×105+9×104+2×103+9×102+5×101+1×100」 ■105、104、103・・・ の部分を桁の重みという ■2進数では重みが2のべき乗になる 2進数の加算式への分解例を板書 「1101=1×23+ 1×22+ 0×21+ 1×20」 |
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●提示 2進数→10進数 |
30秒程度 | ■2進数を10進数に変換する時は、2進数の各桁の値に、重みをかけてそれらを足せば良い 変換例を板書 「1101=1×23+ 1×22+ 0×21+ 1×20=13」 ・質疑応答 |
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●適用 2進数→10進数 |
5分程度 | 課題プリント1「2進数を10進数に変換する」を解かせる | 課題プリントを解く | 配布教材 | ||||||
〇提示 解答の確認 |
3分程度 | 課題プリント1「2進数を10進数に変換する」の解答を、指名した学習者に言わせて確認する できたか確認する(できなかった場合は復習) |
答える | |||||||
●提示 10進数→2進数 |
5分程度 | ■10進数を、2の重みをかけた値の加算式に分解する事で、2進数に変換する ■重みをかけた値の加算式は、値を2で割っていった際の余りから求める 変換過程を板書する (13→1101) (19→10011) ・質疑応答 |
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●適用 10進数→2進数 |
6分程度 | 課題プリント2「10進数を2進数に変換する」を解かせる | 課題プリントを解く | 配布教材 | ||||||
〇提示 解答の確認 |
3分程度 | 課題プリント2「10進数を2進数に変換する」の解答を、指名した学習者に言わせて確認する できたか確認する(できなかった場合は復習) |
答える | |||||||
●提示 2進数の加算 |
5分程度 | ■2進数は2で桁が上がる 例を板書 「1+1=10」 □2進数の加算は縦に並べてやるとやりやすい →桁上がりが分かりやすくなる 例を板書
(110101+11100=1010001) ・質疑応答 |
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●適用 2進数の加算 |
5分程度 | 課題プリント3「2進数の加算」を解かせる | 課題プリントを解く | 配布教材 | ||||||
〇提示 解答の確認 |
3分程度 | 課題プリント3「2進数の加算」の解答を、指名した学習者に言わせて確認する できたか確認する(できなかった場合は復習) |
答える |
III 全体
区分 | 時間 | 指導の要点 | 学習者の活動 | 教材等 |
●適用 総合問題 |
7分程度 | 課題プリント4「総合問題」を解かせる | 課題プリントを解く | 配布教材 |
〇提示 解答の確認 |
4分程度 | 課題プリント4「総合問題」の解答を、指名した学習者に言わせて確認する できたか確認する(できなかった場合は復習) 課題プリント4を回収 |
答える | |
●まとめ ・総括 ・以降の展望 ・質疑応答 |
1分程度 | ・総括 今回は ■2進数を10進数に変換した ■10進数を2進数に変換した ■2進数の加算をした ・以降の展望 次回は ■負の値を2進数で表してみる ・質疑応答 |
3)各部をまとめて指導案を作成
訓練目標:学習者は以下の事ができるようになる ・2進数を10進数に変換できる ・10進数を2進数に変換できる ・2進数の加算ができる 時間:45分 訓練対象:一年生 機材、教材等:OHP、配布教材 |
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区分 | 時間 | 指導の要点 | 学習者の活動 | 教材等 | ||||||
●導入 ・全体像の提示 ・動機付け |
2分 | あいさつ ・学習内容の概要の提示 ■今回は2進数について学ぶ。そして2進数の演算をやってみる ・2進数の必要性の提示 [1]デジタル電子回路は電圧が一定値に対して低いか高いかという二つの状態で情報を表現する。一方2進数は0か1かという、2種類の記号で情報を表現する。両者とも2つの要素で情報を表現しているため、相性が良い □デジタル電子回路では2進数が用いられる [2]コンピュータはデジタル電子回路で演算を実現している。 □コンピュータ上の計算でも2進数が用いられる [3]デジタル電子回路、コンピュータの演算についてはこれからのいろいろな授業で学ぶ。またそれらは将来職業として扱う可能性が高い □2進数の知識がなければ、これから様々な場面で苦労する事になる OHPの提示 ・授業目標の提示 今回の目標は ■2進数を10進数に変換できる ■10進数を2進数に変換できる ■2進数の加算ができる の3点 OHPの提示 |
OHPを見る |
OHP | ||||||
●提示 2進数について |
3分 | ・2進数の定義 ■10個の記号(0、1、2、3、4、5、6、7、8、9)で値を表現するのが10進法 ■2個の記号(0、1)で値を表現するのが2進法 ■10進法で表された値を10進数、2進法で表された値を2進数と呼ぶ 黒板で2進数と10進数の例を板書 ・重み 10進数の加算式への分解例を板書 「392951=3×105+9×104+2×103+9×102+5×101+1×100」 ■105、104、103・・・ の部分を桁の重みという ■2進数では重みが2のべき乗になる 2進数の加算式への分解例を板書 「1101=1×23+ 1×22+ 0×21+ 1×20」 |
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●提示 2進数→10進数 |
2分 | ■2進数を10進数に変換する時は、2進数の各桁の値に、重みをかけてそれらを足せば良い 前に板書した変換例に追記 「1101=1×23+ 1×22+ 0×21+ 1×20=13」 ・質疑応答 |
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●適用 2進数→10進数 |
4分 | 課題プリント1「2進数を10進数に変換する」を解かせる | 課題プリントを解く | 配布教材 | ||||||
〇提示 解答の確認 |
2分 | 課題プリント1「2進数を10進数に変換する」の解答を、指名した学習者に言わせて確認する できたか確認する(できなかった場合は復習) |
答える | |||||||
●提示 10進数→2進数 |
4分 | ■10進数を、2の重みをかけた値の加算式に分解する事で、2進数に変換する ■重みをかけた値の加算式は、値を2で割っていった際の余りから求める 変換過程を板書する (13→1101) (19→10011) ・質疑応答 |
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●適用 10進数→2進数 |
5分 | 課題プリント2「10進数を2進数に変換する」を解かせる | 課題プリントを解く | 配布教材 | ||||||
〇提示 解答の確認 |
3分 | 課題プリント2「10進数を2進数に変換する」の解答を、指名した学習者に言わせて確認する できたか確認する(できなかった場合は復習) |
答える | |||||||
●提示 2進数の加算 |
4分 | ■2進数は2で桁が上がる 例を板書 「1+1=10」 □2進数の加算は縦に並べてやるとやりやすい →桁上がりが分かりやすくなる 例を板書
(110101+11100=1010001) ・質疑応答 |
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●適用 2進数の加算 |
4分 | 課題プリント3「2進数の加算」を解かせる | 課題プリントを解く | 配布教材 | ||||||
〇提示 解答の確認 |
2分 | 課題プリント3「2進数の加算」の解答を、指名した学習者に言わせて確認する できたか確認する(できなかった場合は復習) |
答える | |||||||
●適用 総合問題 |
6分 | 課題プリント4「総合問題」を解かせる | 課題プリントを解く | |||||||
〇提示 解答の確認 |
3分 | 課題プリント4「総合問題」の解答を、指名した学習者に言わせて確認する できたか確認する(できなかった場合は復習) |
答える | |||||||
●まとめ ・総括 ・以降の展望 ・質疑応答 |
1分 | ・総括 今回は ■2進数を10進数に変換した ■10進数を2進数に変換した ■2進数の加算をした ・以降の展望 次回は ■負の値を2進数で表してみる ・質疑応答 |
4)確認項目
・学習効果を推し量る手段
課題プリント4「総合問題」の結果を質問で確認する
・教材
OHPシート(2進数の必要性についての説明・図、授業目標)
配布教材(2進数→10進数、10進数→2進数、2進数の加算の仕方)
板書(2進数・10進数の例。重みの分解式、10進数→2進数、2進数の加算の計算過程)
・注記
課題プリント4「総合問題」は、時間がない場合は宿題に回す
3) 最後に
教材の作成と、シミュレーションを行って、指導案の作成を終了する
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